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 057:熱海



「そうだ熱海へ行こう」

「勝手に行けば」

「あう、冷たい……」

 ――そんなところも好きだけど。

 そう言って抱きついてくる男を振り払えない自分を、ほんの少し可愛いと思う。

「大体なんで熱海なのよ」

「んー何となく。嫌なら京都でもいいよ。ユーと一緒なら俺はどこでもいいから」



 泣きたくなるようなことをさらりと言ってしまうこの男が、私は愛しくてたまらないんです。



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 2004.04.02



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