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024:ガムテープ
「ガムテープで君のその可愛らしい口を塞いであげようか」
「ふざけないでよ、変態! 近寄るな!」
「ついでに両手も縛ってあげよう。そうすれば抵抗もできまい」
「だったら足で抵抗してやる」
「足も縛っておきたいところだけど、それだと支障があるから。どっちにしろもう逃げられないよ」
「こ、来ないでよ」
「震えているのかい? さっきまでの威勢のよさはどこに行ってしまったんだろうね」
「やだ、来ないで」
「怖がる必要はないよ」
「やだ、お願い、やめ」
「大丈夫。愛しているから」
ガムテープで塞ぐ前の唇に口付けを落として、青年はネクタイを緩めた。
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2004.03.28
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